Impressions-SCREAMIN' JAY HAWKINS

ALBUM NOTES

フランスの「LAST CALL」レーベルに契約後に吹き込んだ第1作。録音はテネシー州メンフィスの「Sam Phillips Recording Service」というスタジオで、1997年の7月に行われた。プロデュースは、Jim Dickinson。ジャケット・デザインはすべてフランス側の手によるもので、そのせいか、例の「ヘンリー」が見当たらない。
全体にキッチリと作られ(ようとし)ていますが、ギターの扱いなどに、「いかにも」な、白人のブルース・マニアが好みそうな音作りにやや疑問もあります。 とはいえ、SJHのマニアなら、そんなコトより、どんだけ笑かしてくれるか、が大事ですからねえ。「笑いどころ」なら、あいかわらず豊富に用意されてます。
3."Coulda', Woulda', Shoulda'"や、8."I'll be there"あたりがなかなかゲージュツ性も高く(?)よろしいのではないかと。


accompanists

Roger Hawkins: drums/ David Hood: bass/ Frank Ash: guitar/ Jim Spake: sax/ East Memphis Slim: keyboards & percussion/ T-Bone Tommy Burroughs: violin/ Sam Shoop: bowed bass/ Bertram Brown: backing vocals/ William Brown & Kelley Hurt: background vocals] (作詞・作曲者の記載なし。14は当然として、4,10,11もヒトの曲か? )


1. Listen

ベースのソロにピアノも絡みはじめ、Jazzyな滑り出し。しかし歌に入るとバックにはサルか、はたまたグレムリン?っちゅー小ウルサイ鳴き声の如きバック・コーラス(とはとても言えないよなあ)集団が。やがてバックはさらに騒がしくなって大団円(?)。Frank Ashのギターも、こうゆうバッキングだと、それなりにいい味だしてますね。ただ、このハンパな歪み具合は、あまり好きになれないけど。


2. Because of you

スカっぽいカッティングのダブル・シャッフルにのせて変則コード進行(key=Cなら、C-G-G-C-C/C7-F-G-Cのパターン)のかろやかなナンバー。混声コーラスはなかなかうまくマッチしてますね。Frank Ashのギター・ソロは、やや浅い(?)かな。トーン的には、もろレス・ポールっぽい音のような気がしますが、自分じゃ持ってないんで確信が無いですね。レスポールを実際にお使いになっているみなさま、いかがなもんでしょ?


3. Coulda',woulda',shoulda'

「なにをグダグダ言ってやがる!」って良く(でもないけど)言いますよね?その「グダグダ」の、これって「アメリカ版」?って思ったワタシがバカ?ドラマティックなピアノとともに SJHと女性ヴォーカルの共演(?)でございます。それはそれはメランコリック? なマイナーに乗って二人のミョーな掛け合いは続き、Sam Shoopによるコントラバスのアルコを通奏低音として、T-bone Tommy Burroughsの(知らんなあ・・・)陰々滅々かつ、嫋々たるヴァイオリンの奏でる、まるであの日本4畳半フォークの金字塔「神田川」の如き、じとじとじっとりムードの中、アホらしいやりとりは際限無く続き、ワケ判んないまま幕を降ろす。しっかし、どうひいき目に見ても、このギター・ソロ?はヒドいなあ。サックスはまあいいとして。


4. Potluck

ちょっとThere's something wrong with youにも似たイントロ部。音数を抑えたややヘヴィめ 、のスローなブギなんですが、とーぜん、ここは豚小屋か?っちゅう感じで、どんどんお下品になって行きます。それにしても、Frank Ashのギターときたら、芸が無いなあ。


5. You took me

ピアノのイントロに SJHのややマジな(彼としちゃね) C-Am-F-G循環プラスC-E7-Am-D7-G7 タイプ(ついでにサビ部分は F-Fm-C-C7-F-Fm-D7-G7かな?)のソウル・バラードが乗って、なかなかコナレた作りになってます。ピアノ・ソロはなんとか?それなり、でございます。続く Frank Ashのギター・ソロは、あ、こりゃ間違い無くレスポールだな!ってトーンですねえ。ま、フレーズは可もナシ不可もナシってトコかな?でも同じよーなタイプなら、かっての Wet Willieのギタリスト、リック・ハーシュの方がゼッタイいいよね(って誰に同意を求めてるんだ?)。混声のバック・コー ラスつき。エンディング近いシャウトのバックのドラムがフザけてていい。そのまま F.O!


6. Deceived

一瞬、ロックンロール?って思わせるピアノで始まるやたら調子いいナンバー。 スカみたいなカッティングのリズム。 これも「C-Am-F-G」タイプの循環コードみたいですね。SJHはノビノビと、っつうか朗々と?歌ってます。でもなあ、あいかわらず Frank Ashのギター・ソロはいまいちですねえ。すぐあとのサックス・ソロ(Jim Spake)にカンゼンに負けてますよ。


7. Frankly speaking
 
(instrumental ver.)

オープニング&エンディングに SJHのアナウンスメント(「みなさまに Frank Ashによるギター演奏をお届け出来ることを誇りに思います」なんてゆーとこ見ると、Frank Ashの作った曲かも)入りインスト・ナンバーです。 ちょっと Honky Tonkに似てるよーな気がすんだけど。
この曲でも、Frank Ashのギター・ソロってウマいんだかヘタなんだかよく判んないよね。どーヒイキめに見ても Jim Spakeのサックスに負けてんじゃん。


8. I'll be there

なんだかナイト・クラブ・チック(注;英語の用法として誤りです)なピアノで 始まる、コール・ポーターのビギン・ザ・ビギンを想わせる曲だけど、コード進行はタチが悪い(?)です。予想を裏切る流れで、キーボーダー泣かせですよこりゃ。キーは「Eb」で、まず、Eb-Fm/E-Eb-Ebのユニットと、Ab-Abm-D-D-Fm-E-Eの組み合わせになってます。こりゃあ、ブルース業界(?)ではありえんぞう!
さすが、こんなタイプの曲じゃ、Jim Spakeのサックスがメロディアスなオブリで活躍してますね。逆に、ギターはやり辛そう(と少しはカタ持ってやったりなんかして)。


9. I played the fool

ワリとブルースっぽい入り、と思ったのもツカの間、コード進行がちゃいますねえ。トニックとドミナントの繰り返しでレイジーに流れていきます。
ソロのギターはなかなかにメランコリックな(悪く言えば「思わせぶりな」かな?)フレーズの中に消えて行き、それを受けたサックスもちょっぴりおセンチ。まるでソウル・バラード?「悲しい色やねん」みたい・・・でもないか?バック・コーラスがあかんねん( ?)。


10. Shut your mouth when you sneeze

なんだかスラブ系のコサック・ダンスみたいなリズムに乗せて「クシャミする時ゃあ 口、閉めろ」言われてもなあ。珍しく、基本はマイナーの曲です。キーが Amなら、Dm-Am-E7-Amってヤツ。でも,verseじゃそれが一転して、C-B7-C-B7のパターンになります。(実際のキーは「Fm」)。
サックスのソロがまた、いい味だしてますねえ。特にブルーノートじゃ収まらないとこがね。


11. Life goes on

重厚なイントロ、そして落ち着いたテンポ。ストレートなブルースが始まりそうなんですが、そう、 SJH。んなワケぁ無いのでございますよ。キーはGmです。コード進行は、Gm-C-Gm-D7を基本として繰り返し、サビではず〜っと Cで行って帰るトコで D7になる、ってゆーありがちなパターン。
バックには全編を通して奇声が散りばめられております。Frank Ashのギター・ソロは、「しっかりせえよ!」と言いたくなるくらい、ちょっとチープでっせ。エンド近く、奇声との掛け合いはいつものコトでございますね。


12. You want love

フーチークーチーマン系のリフでミドル・テンポのブギ(といっても Honky Tonkみたいな)やってます。Frank Ashは、やや歪み入ったギターで、なんとか主導権獲ろう?とがんばってるけど、全般に Jim Spake のサックスに負けてるよう。
ラストの、SJH(たぶんね。クレジットには East Memphis Slim: kbd.ってのもあるんだけど、どこに参加してんだかイマイチ判んないんですよ)のピアノがどことなくホノボノしてていいですね。


13. Make me happy

バラード・タッチのナンバー。と思わせて突然、コードが滑り落ちる(?)トリッキィな構成になってます。キーは Fで、最初の4小節ではスロー・ブルースにありがちな、2つ目が上がるヤツです。しかし次の4小節は Bb-Bb-C-C、とトニックに帰って来ないのです。で、トツゼン Abに落ちて来て、Ab-Gの繰り返しになります。
ミョーにハイ・グレードな混声のコーラスのバッキングが無意味(?)でよろしい。だんだんゴスペルっぽくなってくなあ。ギター・ソロなんかは、日本人でこんなの弾くヤツいたよーな気がするなあ・・・。あ、この曲では、East Memphis Slimの弾く(たぶんね)オルガンがハッキリ聞こえてます。ちゃんと居たのね。


14. I shot the sheriff

あまりにも有名なボブ・マーリイの名曲でございます。プロデューサーの Patrick Matheは、リキまずに軽く仕上げています(もちろん、SJHを除いてね)。バックの淡白(過ぎる?)演奏と、SJHの入れ込みようが対照的ですね。モノマニアックなレゲエ・ファンがこれ聴いたら「クソミソ」に言いそうじゃない?ま、でもなまじもっともらしくやってないだけ、クラプトンのよりはいいかも。バックのコーラス、きっちりシゴトしてます。でも、クドいよーだけど、ギターの Frank Ash 、こゆ曲には向いてないよな。サイド切ってる時はまだいいんだけど 。


15. Cool conversation

まるでクラブにいるみたいなざわめきの中でスローなブルースが始まる・・・ SJHは熱心?に語る語る。それに、いーかげんにあいづちを打つ男。ホントおざなりな返事って、こーゆうのを言うんだな。なんかクラブでよくある光景なんだけど、これってヒョっとして、SJH版の"Blues power"かも(え?違い過ぎる?ですねえ)。ピアノは SJH自身で弾いてるんでしょね。そこそこいい味、出してますよ。にしても長い!


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